夜で値段が倍々になるユニークなカフェ「マメヒコ」

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同じメニューが、朝、昼、夕、夜で値段が倍々になるユニークなカフェ「マメヒコ」。たとえば朝400円のものが、昼には800円、夕方は1200 円、夜は1600円となる。ランチとディナーで値段が違う店はよくあるけれど、大概は別のメニューでしょう。それがここのお店では内容が変わらない。しか も、朝と夜では4倍も違う。
文句を言ってるのではなく、この事実に私は感動している。なにせ、この価格設定にもかかわらず、昼も夜もなく満席状態なのだから。

なぜ、これほどまで人気なのか?

店内には「M=Hico(エムヒコ)」という名のフリーペーパーが置いてある。自由にもらえるのだけど、これがなかなかどうして、手間ひま、そしてお金も かかってることが窺える。こうしたことひとつをとっても、それはもう店長(社長)の徹底したこだわりが垣間見えるのです。

つまり、一度訪れた客がトリコになるようにできているのです。もちろん、全員ではなく、その何割かが熱烈なファンになれば、また別のお客さんを連れてきてくれる。そのまた何割かがトリコになる、というループがはじまる。

では、なんのトリコになるのか?

店の雰囲気。
空間。
コーヒー。
料理。
食器。
フリーペーパー。
などなど・・・。

たしかにそうなんだけれど、それらはみんな五感でわかる現象にすぎない。過ぎないなんていうと上から目線だけど、突き詰めるとつまり店長の美意識、哲学がこうしたカタチになって現れて、私たちはそれをサービスとして享受している。

この店はオープンから10年だという。
件の「M=Hico(最新号)」をひもとくと、《10年前、マメヒコを始める前夜に書いたメモ》と題してこう記してある。

1、素材の持ち味を知る
2、清潔なお店である
3、美しいことを大切にする
4、カフェは自由である

こうした自らへの宣言が、10年の歳月をかけて具現化し、共感者をトリコにしてしまう。そうなれば400円も1600円もない。行きたい時に行く、という心境になるのもうなずける。
しかも、この店長はトークショーをやってみたり、映画監督に挑戦してみたりと、常に変化し続けているようだ。それもまたお客を飽きさせない要因のひとつなのだろう。

栄枯盛衰の激しい社会にあって、小さな事業体が生き残る方法は、巨大資本とは闘わないこと。ファンを育て、価格競争をしないこと。お金では買えないものに投資しておくこと。
机上論ではなく、それを体現し、継続しているサービスに触れることは、私自身にとって大きな刺激となりました

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